「自分がどうしたいか」を積み重ねること

 

 先日、公立小学校に勤務している方からこういうお話を聞きました。

授業中教室から飛び出した生徒がいて、その子を追いかけた。立場としては教室に戻すべきだったが、無理に戻しても同じことになる。そこで「あなたはどうしたい?」と聞いてみたら、少し落ち着いた様子になって、色々と気持ちを喋ってくれた、と。

 

 この話を聞いたとき、あぁ、普段から子どもたちには「自分がどうしたいか」を考え、自分のことについて自分で決める機会が圧倒的に少ないんだろうなぁと思いました。

 どんな服を着るか、どんな体勢で話を聞くか、学校に行くか行かないか、何時間youtubeを見るか、何時に寝るか、いま何をしたいか、それら自分のことを自分で決め、自分で体験する権利があなたにはあります。それはもちろん子どもたちにもあるのです。

 

 でも実際はそうはなっていない。

子どもたちの生活は「しなければならないこと」「した方がいいと思われていること」で埋め尽くされてしまっていて、自分がしたいことをする以前に「自分がどうしたいか」をゆっくり考える暇もありません。

 

 周りから強制される「しなければならないこと」や周りに要請される「した方がいいこと」ばかりずっとしているとどうなっていくでしょう?

おそらく、外面は立派かもしれない、でも自分の好きなことやしたいことがわからない、自分を大切にできない、そんな人が育まれると思うのです。

 

 自分自身を大切にし、幸せに生きるためには「自分がどうしたいか」を積み重ねていくことが必要だと感じています。

冒頭の話のように、残念ながらひとりひとりの気持ちが重要視されない世の中で「あなたはどうしたい?」と問いかけるスタンスは大切にしたいなと思います。それは大人であっても子どもであってもです。

 

 まんじぇは「これはしなければならない」とか「あれはした方がいい」と誰かに言われる環境ではありません。自分のことは自分で決めることが大切にされています。それはある意味では自分で決めるしかない厳しさもありますが、小さなことからすべて「自分がどうしたいか」を積み重ねていけるとても貴重な環境なのです。